21世紀になってから、インターネットが普及した「電脳社会」の危うさをさらけだした事件が相次いで起きた。
例えば、2000年1月、中央省庁のホームページ書き換え事件が発生した。
プリペイド携帯電話
2000年4月、横浜市で身代金目的誘拐事件が起きた。2000年4月25日に被害者の男児が救出された
犯人(容疑者)はプリペイド式携帯電話を使って被害者側と連絡を取った。
それによって、居場所や身元を特定できないようにしていた。
誘拐事件の容疑者逮捕後、警察庁関係者は「事件の連絡方法にインターネットが使われたら追跡はさらに難しくなる」と漏らした。
1999年、通信傍受法が成立した。
通信傍受法に基づいて捜査当局がログを調べることは可能だった。
しかし、5chなどの掲示板やプロバイダーがすべてのログを保存しているわけではない。
しかも、パソコンの設定を変えて通信上の匿名化が可能な「プロキシサーバー」を経由することで「足跡」を消すことも可能だった。
ネットバンキング
ネット上の口座で、振り込みなどの操作ができるネットバンキングがある。
その利便性から大手都市銀行を中心に利用者が拡大した。
これまでもマネーロンダリング(資金洗浄)に利用される危険性が指摘されていた。
警察関係者は「匿名口座を作らせないような対策を取るのが遅れれば日本が世界的な犯罪の抜け道になる心配がある」と語っていた。
牧野二郎弁護士は、安易な規制に警鐘
一方で、「通信の自由は確保されるべきだ」といった懸念もあった。
IT法務やネット犯罪問題に詳しい牧野二郎弁護士は当時、新聞社の取材に対して、「一定レベル以上のコンピューター知識が必要なやり方だ。誘拐のような犯罪では脅迫手段に使いにくい」と話していた。
「メールを規制しても犯罪の抑制効果がないことは明白だ。むやみな規制より捜査能力を高めた方がよほど有効」と安易な規制に走らないよう警鐘を鳴らした。
https://www.makino-law.jp/
規制より能力向上を
ITコンピューター業界は捜査当局の懸念に懐疑的だった。
プロキシサーバーも、利用者のネット上の個人情報を保護する有効な手段だった。
中学生・高校生のネット誹謗中傷(愛媛県警)
子供のインターネット利用の危険性について(文部科学省)
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